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視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。
職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで
起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。
犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み
居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは
身を守るため、知らない振りをしようと決める。
奇妙な同棲生活が始まった―。

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初、乙一作品。
ミチル視点、アキヒロ視点と2人の視点から
物語は進行する。

最初はお互いの恐怖心から表立った接触を
避けて生活していくのだけど
ある出来事をきっかけに2人の距離は急速に
近づいていく。

物語は静かに、静かに進行していくのだけど
その静けさの中に、暖かく切ない物が混じっていて
読んでいると何とも言えない気持ちになる。


ネタバレあり。
続きを読む方はご注意を。



2人の距離が急速に接近するきっかけになった
落ちてくる土鍋からミチルを救ったシーンや
ミチルがアキヒロの分まで夕食を用意し
彼が食事の席に着くまで待つシーンなど
その場面には会話が一切ないのに
2人の気持ちが手に取るように伝わってきて
ドキドキしながら読んだ。

アキヒロがミチルの手を取り外に連れ出す。
そして、ミチルがカズエに無事会い言った言葉。

「カズエ、外は楽しかったよ・・・・」

このシーンでは思わず涙汲んでしまった。

読み進むごとにこの2人に明るい未来を。。と
思うくらい感情移入して読んでいた。
ラスト、どうなる事かと思っていたけど
満足のいくラストでスッキリ爽やか。

それにしてもこの作品、ミチルとアキヒロの
心情描写が見事だった。
お互いがお互いを見て、自分の気持ちと
向き合っていくのだけど
読んでるこちら側まで登場人物になったような気がしてくる。

でも、謎解きの部分が少しあっけなく感じ
適当に終わらせたようにも感じられる。
それまでが丁寧に書かれていただけに、ちょっと残念。
これだったらなくても良かったかな。

「人間、1人では生きていけない。」

★★★★+☆

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タグ : 読書 乙一

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